2009年5月23日土曜日

Danger Mouse

デンジャー・マウス、EMIに対抗して空っぽのCDRを発売!!
米国の人気 DJ、EMI との著作権トラブルに対抗してブランク CD-R を「アルバム」としてリリース

1.
今日、初めて知った。
ビートルズの「White Album」とJay-Z の「Black Album」をミックスしたアルバム「Gray Album」をリリースしたけどEMIに出荷停止にされてBitTorrentでアルバムを無料配布したDJ Danger Mouseが、Blank CD-Rをリリースするらしい。(16 May 2009時点の記事で「Music producer Danger Mouse is to release a blank CD ...」なので、まだリリースしていないみたい。)
DJ Dangermouse - The Grey Album download

2.
へー、と思って、元の記事を斜め読みした。
よく分からないけど、EMIに新しいアルバムのリリースを拒否されたから、Blank CD-Rをリリースして、音楽データはオンラインで配布するらしい。
スラドには「ダウンロードできる」と書いてあったけど、僕はダウンロードできるリンクは見つけられず、ストリーミングしか見つけられなかった。

『Dark Night of the Soul』というタイトルのアルバムで
Sparklehorseというロック・グループと一緒に作ったもので、どういうことか分からんが、Iggy PopとThe Flaming Lipsをフューチャーしたアルバムで、そんで、なぜか、デヴィッド・リンチのアートワーク(写真とか)が付属しているらしい。
(デヴィッド・リンチは、何をしてるんだろU?不思議だ。)

で、ブランクCDRには「For Legal Reasons, enclosed CD-R contains no music. Use it as you will.(法的な理由で、同封のCDRには音楽は記録されていません。自由に使ってください。)」と書かれるらしい。(まだ実際にはリリースされていないので決定ではないのだろうけど。)

3.
ここから聴けるので聴いた。
かっこよかった。The Grey Albumしか知らなかったけど、DJ Danger Mouseは、Madlibのように面白い音楽家なのかもしれない、と思った。
でも、「Blank CD-Rでリリースしなければいけない音楽」(そんな音楽があるとして)には聴こえない。「普通」に、記録済みCDでリリースしたら良いんじゃないか、と思った。
一回流して聴いただけでは、EMIにリリースを拒否される理由が分からなかった。

4.
ブランクCDRをリリースして、音楽はダウンロードしてくれ、というやり方について。
「記録済み音楽CDの販売を"過去の行為"としてパロディ/パスティーシュする行為」だとか「音楽の流通のあり方の変化を告知する出来事」だとかなんか考えてみようとしたのだけど、それって、僕が考えるよりも上手く考える人がいるに違いない、と思った。
時代とか社会の変化を受け入れて理解するのに役立つ言葉とか。
全く使えないのは話にならないけど、僕は、そういうことを「予知」する立場にはいないだろう。別にレコード会社で働いているわけでもないのだし。

5.
それより、「PCを使って、ネットから音楽データをダウンロードしたり、そのデータをCD-Rに記録することができない人々の行動」って、面白そうだなあ、と思った。
PCとかネットを使って音楽とつきあえるかどうかは、テクノロジーに対するリテラシーの有無が、その行動様式を根底から分けてしまう、分かりやすい事例のはずだ。
一見外からは分からないけど(例えば、ネットを使う/使わない、に、必ずしも学歴は関係ないとか)、実は全く異なる行動様式を持つ人々は、どのように同じ一つの社会の中で共存するのか?とか。

6.
ま、これも、僕が考えるべき問いではない気がするけど。
ふと思いついた、ちょっとした教訓。
誰かが音楽(の将来)とテクノロジーについて語っている場合、話している人が「その話が当てはまるのはどういう種類の人々かを考えているかどうか」に注意しよう。
その意味では、僕が2008年に書いた(けれど、仕事にはならず埋もれてしまった)ものは、よくないものだったな。
と反省。


→元ネタの記事はここらへんか?それとも他にソースがあるのか?
Exclusive First Listen: Danger Mouse And Sparklehorse Team Up With David Lynch : NPR Music
BBC NEWS | Entertainment | Danger Mouse to release blank CD


僕の好きなMadlib。分かりやすいから。
Shades of Blue
Madlib
B00009OOI6

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