2009年5月21日木曜日

小沼純一(編)『ジョン・ケージ著作選』(ちくま学芸文庫、2009)

ジョン・ケージ 2009 『ジョン・ケージ著作選』 小沼純一(編) ちくま学芸文庫 東京:筑摩書房。
ジョン・ケージ著作選 (ちくま学芸文庫)
小沼 純一 John Cage
4480092021
まさか、ジョン・ケージ関連の新しいアイテムが出版されるとは予想していなかったので、ちくま学芸文庫だから1000円以上するけど、でも、文庫本で出たことを知ってびっくりした。

収録されているジョン・ケージの文章は、以下の通り。
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音楽愛好家の野外採集の友
合衆国に於ける実験音楽の歴史
実験的音楽ジョン・ケージ
ダニエル・シャルルの33の質問に対する60の答え
インタビュー集 ケージの音楽-1970年以降
われわれはどこで食べているのか?そしてなにを食べているのか?
作曲を回顧して
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基本的に、リブロポート社の『MUSIC TODAY』 のケージ特集(No.18)と1980年の近藤譲(編訳)『音楽の零度 ジョン・ケージの世界』(朝日出版社、1980)に収められていた日本語訳を再録したもの。
ジョン・ケージ 1996 『サイレンス』 柿沼敏江(訳) 東京:水声社。からは使われていない。
理由は不明。翻訳権とかの関係か?

僕にとってはどれも馴染みのテキストだし、僕がこれを読んでジョン・ケージについて新たに何かに気づくということはないと思う。
が、ケージの文章の邦訳は絶版になってるものが多いので、文庫であると、最初のきっかけには良いのかもしれない。これもすぐに絶版になるかもしれないけど。
「ジョン・ケージを全く知らない人」でケージの音楽を聴くだけではなくケージの文章を読んでみたい人にとっては、最初のきっかけとしては良いのかもしれない。
が、だったら、ケージが英語でやってるフォントや段組の実験とか、メゾスティクスは、再現しないほうが良いと思う。二つ以上の文章が分断され、フォントだけで区別されて同時に掲載されていたり、本を上下左右逆にして読んでみたりしなければいけないのは、よみにくい。

ということで、
1.ケージのタイプグラフィーの実験を日本語で再現しようとするのはかっこ悪いなあ、ということを再確認し、
2.絶版にならなければジョン・ケージの文章への最初の入門として紹介できる(そうする必要とか価値があるかどうかはともかく) と思った。

ま、世の中には色々な物事があったほうが良いと思う。

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