2008年9月1日月曜日

毛利嘉孝『ポピュラー音楽と資本主義』、奈良Pick

ポピュラー音楽と資本主義
毛利 嘉孝
4796702784

これは決して自分語りのおっさんの本ではなくてこういうアカデミズムの示し方があることを納得させてくれた本で、面白かったのだけど、この本がどう面白いかは、ウェブ上で色々な人が説明してるので、省略。

個人的に一番感銘(?)を受けたのは、うただひかるの「Automatic」について、自分が「一種の奇妙な敗北感と当惑」を感じたと述べる部分(171)。「時代」が変わったことを悲壮感とか絶望感とかノスタルジーとかとは無縁に記述する文章は、読んでいて気持ちが良い。「時代」というのは変わるものなので。なので、僕は今後、できるだけデジタル・オーディオ・プレイヤーで音楽を聴く時は「シャッフル」を多用しよう、と(やっと)思ったのでした。

ただ、「音楽の未来」の変化(CDはなくなる、とか、小売業はなくなる、とか、音楽配信がメインになるから今ではセミプロとかアマくらいの人も収入を得られるようになってプロとアマの垣根は低くなる、とか、そういう未来予想図)について語る人のほとんどは、「音楽産業の未来」について語ってるだけじゃないか?と思ってしまう。
もちろん、音楽産業やら音楽聴取のあり方やらこそが「音楽の未来」だと思うけど、最終的にある音楽を聴く時、それがどういう経路で届いたかはあまり関係ない瞬間があるのじゃないか、と思う。つまりは、僕は、その音楽が、どんな風に「新しい」のかが想像できない。
あと、「プロ」と「アマ」の境目は緩くなるだろうけど、それよりもどんな風に「プロ」に求められる質が変化するのか、を予想してくれ、と思った。

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2000年初頭に「音響派」にスゲーと感じた後、もう「新しい音楽」が出てきていないような気がしてて、せいぜい「音響派が一般的なイディオム」になったなあ、と感じただけなのだけど、それは自分の感性が古く鈍くなっただけど、実は「新しい音楽」は出続けているのかもしれない、とか思ったのだけど、そうなら、誰か教えてくれないものだろうか。
そのうちCDはなくなると思うけど、「新しい音楽」が出てこなくなるということはありえないと思うので、何かは出続けているとは思うのだけど、そういう音楽の「新しさ」のあり方は、自分が馴染んできた「新しさ」のあり方と違うのだろう。それは「新しいリズム」とか「新しいメロディ」とかじゃないだろうとは思うけど、もうちょっとその新しさのあり方が明確になってくれないものだろうか。
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とか考えてた昨夜、music stage pick,JR奈良駅,三条通り,奈良ライブハウスというところに行きました。面白かったです。
楽器演奏での参加も可能なカラオケのような場所というかなんというか、来た人は勝手にギター持って誰かの歌とか自分の歌とか勝手に歌っても構わなくて、だからといっている人がみんなそれを聞いてるわけじゃないけどBGMは下げてくれる、と。客層はだいたい40代後半から上だけど、昨夜は20代前半の数人が来てました。マスターが学校の先生だったので学校関連の人が多いらしく、必ずしも団塊の世代の人だけじゃないみたい。
行ってすぐに、ドラム叩いてみてくださいな、と言ってもらって、マスターと来てた24歳の人の曲にいきなりドラムをつけて叩いて、えらいすぐに客の懐に飛び込んでくるマスターだなあ、と驚いたけど、久しぶりに歌モノドラムを叩けて面白かったです。結局3-4時間いたと思う。

楽器演奏できなかったり歌えなくても大丈夫だろうけど、他の人が歌うのに寛容でいられなかったり「常連」の中に入っていけないとつらいかもしれません。あと、歌ったり演奏したりできる音楽の種類が少ないです。アコギとドラムセットとエレピしか使えないから仕方ないかもしれんけど。帰り道、妻がバランス取ろうと思ったに違いないのだけど、車の中でPerfume聴いてました。

でも面白かったです。毎週は行かないけど時々行ったら楽しかろうと思いました。何より「他人」と話す機会は必要だ、と思った次第で、あと、音楽の趣味というものは、どんどん細分化されていってるのだろうか、と思いました。
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10月から高速道路の通行料金が半額に - GIGAZINE:"これにより土日祝日の午前9時から午後5時までの間、東日本、中日本、西日本の3高速道路会社の高速道路全線で100キロ以内の利用者に対して、料金を5割引するとのこと。"
本当なら、ビッグ・ニュースじゃないか。でもそんなに高速使わんなあ。

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