思考機械の事件簿 1 (1)
宇野 利泰
読んだのはかなり前で、梅雨前くらい。僕に「小説」リバイバルが訪れた頃、「軽い読み物」が欲しくて読んだ。作者はタイタニック号の事件で亡くなったくらいの時代の人で、この本も副題に「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」とある。日本で余れた傑作選みたいだけど。
つまりは20世紀初頭の人。「2プラス2は、常に4なのです。」というのが決まり文句の一つで、つまりは、この時期、イギリスでは、「2プラス2は常に4である」と断言してくれる人が人気を博したんだろう。あと4年でタイタニック号の沈没から100年なんだな。
それはそれとして、興味深かったのが「情報漏れ」という短編。
電話交換手をしていた経験のある女性が、タイピストとして働いている職場で、タイプする音の長短と間隔でモールス信号を打って、職場で得た秘密のメッセージを漏らす、という筋立て。
「電話交換手」とか「タイピスト」とか「モールス信号」とか「女性性」とか、そういうことの結びつきが、とっても自明だったことが分かりますね、という話の枕に使えそうな短編。ほんとかな。モールス信号、電話交換手、タイピスト、って、三種類以上の専門技術を身につける、って、よくある話なのかな?
これ、話の枕として面白いかな?
2008年8月28日木曜日
ジャック・フットレル『思考機械の事件簿I』
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音響メディア,
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