“声”の国民国家・日本 (NHKブックス)
兵藤 裕己
浪花節という「声」の文芸・芸能が、大東亜戦争へと大衆を巻き込んで「声の共同体(ユニゾン)」を形成した、と論じている。
というのも、浪花節を語る人が属する擬似家族的なモラル、そして彼らが語る擬似家族的なモラルこそが、大東亜戦争期の日本に浸透していた、天皇を「親」とみなし自らをその赤子と見なすような擬似家族的なモラルを制度化し拡大し大衆化し、まとめあげる変換装置となったから。
ここで語られる「声の表象」にまつわる問題圏はまた後で考えるとして、浪花節「だけ」がそういう共同体やモラルを形成したのか?という疑問は拭えない。
あと、ダイソーで広沢虎造とかの浪花節を買ってしばらく聞き込んだのは、この人の本がきっかけだったと思っていたのだけど、違ったみたい。でも、じゃあ、僕が桃中軒雲右衛門のある程度の履歴を知っているのはなぜだ?
坊ちゃんの時代 第5部 凛冽たり近代なお生彩あり明治人 不機嫌亭漱石 アクションコミックス
関川 夏央 谷口 ジロー
これに出てるからではないし、桃中軒雲右衛門の浪花節は聞いたことが無いし。
僕はどこで知ったんだろう。
あと、「桃中軒雲右衛門」事件というのは著作隣接権関連で重要な事例。
わたしたちの著作権講座: 著作隣接権及び実演家人格権
2008年4月15日火曜日
兵藤裕己 2000 『<声>の国民国家・日本』 東京:NHKブックス。
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